イランは、ホルムズ海峡を通過する石油タンカーに対し、1隻あたり最大200万ドルの通行料を暗号資産で支払うよう要求すると、同国石油輸出業者組合の広報担当者が明らかにした。
イラン石油・ガス・石油化学製品輸出業者組合のハミド・ホセイニ広報担当者は、フィナンシャル・タイムズに対し、テヘランが海峡を通過する積載タンカーすべてから料金を徴収し、各船舶の貨物が武器でないか検査する意向を明かした。
通行料は石油1バレルあたり1ドルで、積載量が満杯のスーパータンカーでは最大で200万ドルに達する。空のタンカーは自由に通行できる。
各船舶は貨物の詳細をイラン当局にメールで報告し、その後、ビットコイン(BTC)で支払う通行料の通知を受け取る。
ホセイニ広報担当者によると、暗号資産による支払い受付時間は数秒間のみとされている。この仕組みにより、国際的な制裁下においても取引が追跡・差し押さえされないようになっている。
イランがホルムズ海峡のタンカー通行料のビットコイン支払いを求めることは、ペトロダラー体制への直接的な挑戦である。
船舶にドルではなく暗号資産で決済させることで、テヘランは米国の制裁網を回避し、世界の石油取引におけるドル支配力の低下につながり得る前例を作る。
この措置は、停戦協議が進行する中にあっても、イランがこの重要なチョークポイントへの影響力を保ち続けようとする姿勢を示す。ホセイニ広報担当者の発言によれば、テヘランはタンカーに対し、イラン沿岸に近い北側ルートの通行を求める見通し。
これにより、西側や湾岸諸国に近い船舶が通行を敢行するかどうか重大な疑問が生じる。
湾岸のタンカーは水曜日、イラン側の承認なしに通過を試みた場合は軍事攻撃を受けるとする無線放送を受信した。
この要求により、イランはワシントンと直接的な対立局面に立つこととなる。トランプ米大統領は、停戦維持の条件としてイランに対し、海峡の全面的かつ即時かつ安全な再開通を求めている。
一方、イランの最高国家安全保障会議は、自国軍と連携した安全な通過のための新たなプロトコルを提案している。
同会議は、すべての通行活動に対する軍による監督を含む10項目の交渉要求を列挙した。
この膠着状態の行方は、停戦の存続だけでなく、世界で最も戦略的に重要な水路における今後の石油輸送の未来を左右する。
