イーサリアムは26日、『Art That Outlives Museums: When Network Becomes the Medium(美術館を超えて生き続ける芸術:ネットワークが媒体となる時)』と題したナタリー・ストーン氏による寄稿記事を公開した。
ナタリー・ストーン氏は、様々な媒体や分野を横断するアートプロジェクトを企画している「Stone Work(ストーンワーク)」の創設者である。
同氏はアートにおけるブロックチェーンの活用について考察し、以下の3点の大きな変化が起きていると指摘する。
同氏は、1990年代のネットアート(インターネット上で表現されるアート)が中央集権的なサーバーに依存していたのに対し、現代のネットアートは分散型の合意形成を基盤としているという点が大きく異なると主張する。
そして、かつての先駆者がブラウザを素材としたように、現代のアーティストはイーサリアムの技術的制約を素材として、アートを形作っているという。
その代表例として、人気NFTシリーズ「CryptoPunks(クリプトパンクス)」などで知られる「Larva Labs(ラーバラボ)」のマット・ホール氏とジョン・ワトキンソン氏を紹介し、「各プロジェクトにおいて技術的な限界を押し広げることで新たな芸術形式を確立した」と言及した。
ナタリー氏は、ラーバラボによる主なプロジェクトと技術的革新について以下のように整理した。
ナタリー氏は、「ネットワークとは、何が価値あるものかについて人々が同意することだ」と述べる。CryptoPunksを例に、「技術的なプロトコル(コード)と社会的プロトコル(コミュニティの評価)が組み合わさることで、デジタルデータが『実体のある収集品』と同等の価値を持つようになった」と、そのプロセスを説明した。
さらに、ネットワーク・アートは「保存を担う機関である美術館よりも長生きする可能性を秘めている」と同氏は語る。
ニューヨーク近代美術館やロサンゼルス・カウンティ美術館などの主要機関がCryptoPunksの収集を開始していることに触れつつ、「ネットワーク(ブロックチェーン)が稼働し続ける限り、この芸術は特定の主体の管理を離れ、永続的に存在し続けることとなる」と、ネットアートが物理的な制約がある美術館などよりも永く保存される可能性があると解説した。
ナタリー氏による寄稿は、「アートとしてのNFT」や「NFTの活用方法」として過去数年間にわたって繰り返されてきた言説を、あらためて整理したものである。特に真新しい観点があるわけではないものの、NFTブームが沈静化した2026年現在に、あらためてイーサリアム公式アカウントがこの記事を公開したことには、なにか重要な意味があるのかもしれない。
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