米国発の政治リスクの高まりを受け、暗号資産市場は下落基調を強めている。ビットコイン
BTCは8万8,000ドルを割り込み、執筆時点で前日比1.8%安となっている。一方、イーサリアム
ETHは3.27%安、ソラナ
SOLは4.01%安となり、主要アルトコインも軒並み値を下げて投資家のリスク回避姿勢が鮮明になっている。
暗号資産市場ヒートマップ 出典:CoinMarketCap
こうした軟調な値動きの要因として、24日にドナルド・トランプ米大統領が示した対カナダへの関税発言が挙げられる。トランプ氏はカナダが中国と取引を行った場合、米国に輸入されるすべてのカナダ製品に「100%の関税を課す」とSNS上で言及した。あわせて、カナダが中国製品の「中継拠点」になることを強く牽制し、中国との関係深化がカナダの経済や社会構造に深刻な影響を与えかねないと警告した。
加えて、米国内では連邦政府機関の閉鎖リスクも再び意識されている。ミネアポリスでの不法移民取り締まりを巡り、連邦当局による銃撃事件が相次いだことを受け、移民・税関捜査局(ICE)への予算を含む歳出法案に対し、上院民主党が反発を強めている。1月末に暫定予算が失効すれば、再び政府閉鎖に陥る可能性があるとみられている。
米国の政治的なリスクによる市場心理の悪化は、指標にも顕著に表れている。暗号資産データサイトのコインマーケットキャップが提供する「恐怖と欲望指数」では、最新値が29となり、「恐怖」領域に入っている。
恐怖と欲望指数チャート 出典:CoinMarketCap
この指数は投資家心理を数値化したもので、数値の低下はリスク回避姿勢の強まりを示す。指数は直近で急低下しており、市場参加者の心理が短期間で悪化していることがうかがえる。
また、機関投資家の動きにも変化が見られる。オンチェーン分析プラットフォームのコイングラスが提供する暗号資産ETF(上場投資信託)の純フローによると、16日以降から資金流出が継続している。
暗号資産ETFの純フロー 出典:Coinglass
さらに、23日を起点とした過去5取引日では、全暗号資産ETFで約234億ドル(約3.6兆円)の流出を記録。機関投資家が暗号資産への投資比率を引き下げている状況が浮き彫りとなっている。
今後は、米国の貿易政策を巡る発言や動向に加え、連邦政府予算を巡る議会の協議状況が市場でどう受け止められるかが注目される。これら政治的な動きが、投資家心理や資金フローに与える影響が引き続き焦点となりそうだ。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=154.2円)
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