オンチェーンデータ分析企業のグラスノードは27日、コインベース・インスティテューショナルと共同で、2026年第1四半期の暗号資産(仮想通貨)市場展望をまとめたレポート「Charting Crypto Q1 2026」を公開した。
2025年10月に発生した大規模な清算イベントは市場の過剰なレバレッジを一掃し、ステーブルコインを除いた市場全体の「システマティック・レバレッジ比率」は約3%にまで低下した。システマティック・レバレッジ比率とは、市場の規模(時価総額)に対して、どれだけのデリバティブ(先物など)の未決済建玉があるかを数値化した「比率」を指す。具体的には、「デリバティブの未決済建玉÷仮想通貨の時価総額(ステーブルコインを除く)」という計算で算出される、市場の「過熱感」や「脆さ」を測るための指標である。
レポートによれば、現在の市場は「リスクが放棄されるのではなく、再評価されている」段階にあり、デリバティブ市場ではビットコイン
BTCのオプション未決済建玉がパーペチュアル先物を上回るなど、ポジションが「防御的構造へシフト」しているという。
こうした投資家の「規律あるリスク管理」を背景に、BTCドミナンスは59%付近を維持しており、他の資産が利益を維持できない中で「構造的なリーダーシップ」を堅持しているとレポートは評価する。
一方で、投資家心理を可視化する指標「未実現損益(NUPL)」において、市場は強気相場への強い自信を示す「確信(Belief)」から、含み益の減少によって警戒を強める「不安(Anxiety)」フェーズへと移行した。これは市場に漂う慎重な姿勢を映し出しているが、歴史的にこの「不安」フェーズは価格固めの局面であり、センチメントが改善する余地を残している。
オンチェーンにおけるビットコインの動向分析では、2025年第4四半期に、全供給量のうち直近3ヶ月以内に移動(取引)された割合が37%にまで増加した。
これは、長く保有されていたビットコインが動き出し、市場へ放出される「分配」の動きが一部で見られることを示している。一方で、機関投資家は依然として「選択的に建設的(ビットコインなどの特定の主要銘柄のみ強気)」な姿勢を維持し、地政学リスクを背景にビットコインのような時価総額の大きい銘柄に限定して投資を好む傾向にある。
イーサリアム
ETHはサイクル後半段階に近づいている可能性があるが、L2での手数料圧縮や経済モデルの変化といった要因により、従来の「サイクルに基づくシグナルの予測力は低下している」と指摘された。
イーサリアムの今後のパフォーマンスは、「広範な流動性条件や相対的なポジショニングに左右される可能性が高い」とレポートは分析する。
レポートは、現在の市場全体の動きについて、過去の相場の転換期と比べて「ショックに強く、簡単には崩れない体質」が備わっていると結論づけている。現在の暗号資産市場は、ヘッジなどを活用してリスクを賢く管理する「成熟した投資環境」へと進化しているようだ。
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