この記事の要点
決済大手マスターカードは2026年3月11日、仮想通貨(暗号資産)企業や銀行、決済プロバイダーなど85社以上を集めた「クリプト・パートナープログラム」を立ち上げたと発表しました。
同プログラムは、ブロックチェーン技術を既存の決済ネットワークへ統合することを目的としたもので、国際送金や企業間決済、ペイアウトなどの分野でデジタル資産を活用した実用的な決済インフラの構築を進める取り組みです。
参加企業には、バイナンス、ジェミナイ、サークル、リップル、ペイパル、ポリゴン、ソラナ、クリプトドットコム、パクソス、ムーンペイ、ファイアブロックス、カントン・ネットワークなど、業界を代表する仮想通貨・ブロックチェーン企業が含まれています。
今回のプログラム始動により、これまで投資目的が中心だったデジタル資産が実際の支払い手段として機能する環境が、世界規模で整いつつあります。
ステーブルコイン送金を200市場に展開
マスターカード、世界200市場でステーブルコイン送金が可能に|Thunesと提携
マスターカードは発表の中で、同プログラムが仮想通貨企業、金融機関、決済プロバイダーをつなぐ役割を担うと説明しています。
参加企業はこの枠組みのもと、ブロックチェーンベースのシステムを既存の決済インフラと統合する製品の開発でマスターカードと協働し、仮想通貨の金融サービスへの実装を加速させています。
同社はXへの投稿で「仮想通貨は新たなフェーズに入っている」と述べ、従来の金融と並行して稼働していた技術が、国際送金や企業間決済といった実用的な用途にますます適用されていると説明しました。
こうした認識のもと、同プログラムが重点を置くユースケースとして、国境を越えた資金移動、決済処理、商業決済をマスターカードは挙げています。
また同社は、今回の取り組みが仮想通貨企業とのパートナーシップ、ブロックチェーンスタートアップ支援プログラム、仮想通貨連動型決済カードなど、これまでのデジタル資産分野での活動を土台にしていると明らかにしました。
関連する動きとして、マスターカードは同月初めにSoFiテクノロジーズと提携し、SoFiのドル連動型ステーブルコイン「SoFiUSD」を使ったマスターカードの決済ネットワーク上での決済を可能にしています。
この合意により、イシュアーとアクワイアラーはカード取引の決済に銀行発行のデジタルドルを使用できるようになり、SoFiバンク自身のマスターカードのクレジットおよびデビット取引をステーブルコインで決済する計画も進んでいます。
また、決済インフラのデジタル化を進める取り組みとして、2024年に自社のトランザクションの約30%がトークン化されていたと明らかにしており、ブロックチェーン技術と既存決済インフラの統合を今後も本格的に推し進める姿勢を示しています。
マスターカードのデジタル資産への関与は、規制環境の整備とも連動しています。
同社はステーブルコイン規制をめぐる米国の立法議論についても積極的に見解を示しており、GENIUS法をステーブルコイン規制の転換点と評価していました。
また、同社はステーブルコインによる日常決済を実現する取り組みをすでに進めており、決済インフラへのブロックチェーン統合を着実に推進してきました。
今回の85社以上を束ねたパートナープログラムの始動により、ブロックチェーン技術を活用したグローバルな決済インフラの整備が新たな段階に入っています。
>>最新の仮想通貨ニュースはこちら
仮想通貨決済関連の注目記事はこちら
スイスのSPAR全137店舗で「ADA決済」が可能に|実用化へ一歩
富裕層の「空の移動」に仮想通貨決済、CryptoJetsが180ヶ国チャーターで本格展開
日本銀行、中銀マネーのブロックチェーン決済実証に着手|金融インフラ高度化へ
Source:MasterCard公式発表
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用


