この記事の要点
まずはを詳しく理解する
米決済大手PayPal(ペイパル)は2026年3月17日、同社が発行するステーブルコイン「ペイパルUSD(PYUSD)」の供給量が40億ドル(約6,360億円)を突破し、世界70市場への展開を拡大したと発表しました。
PayPalは数億人規模のユーザーを抱える決済プラットフォームで、インフラにPYUSDを組み込むことで供給量を段階的に拡大してきました。今回の40億ドル突破により、市場での存在感は一段と高まっています。
また、今回の展開により70の対象市場でPYUSDを活用した送金や決済が可能となり、個人間送金から商取引まで幅広いユースケースでの利用が進む見通しです。
PayPalは既存の決済ネットワークとステーブルコインを統合する戦略を継続しており、同社のグローバル展開はその取り組みの加速を示しています。
Coinbase提携で「PYUSD手数料免除」
PayPal、Coinbaseと提携拡大で「PYUSD手数料免除」ステーブルコインの普及を図る
PYUSDはPayPalが2023年8月に米国向けで発行を開始したステーブルコインで、米ドルと1対1で連動する仕組みです。発行当初から対応市場を段階的に広げており、今回の70市場への展開はその規模を一気に押し上げるものとなっています。
ステーブルコイン市場では米ドル連動型への需要が高水準で推移しており、大手決済企業が発行体として相次いで参入しています。PayPalはその中でも広範なユーザー基盤を持つ決済プラットフォームとして、既存インフラへのPYUSD統合を通じた流通拡大を図ってきました。
PYUSDはイーサリアム(ETH)およびソラナ(SOL)の両ブロックチェーン上で発行されており、複数チェーンへの対応が幅広い取引環境での利用を可能にしてきたと同社は明らかにしています。
今回の供給量40億ドル突破は、発行から約2年半で積み上げてきた成長の節目であり、同社がPYUSDをグローバル決済戦略の中軸と位置づけていることを裏付ける数値として位置づけられています。
今回の展開により、これまでPYUSDが利用できなかった地域のPayPalユーザーが追加手続きなしでステーブルコインによる国際送金や決済を利用できるようになります。
従来の法定通貨ベースの送金と比べて低コスト・高速な資金移動が選択肢として加わり、個人間送金から企業間決済・越境取引まで対応範囲が広がります。
特に銀行インフラが十分に整っていない新興国では、ドル建てデジタル資産による送金手段としての需要が見込まれており、PayPalの商業ネットワークとの組み合わせがPYUSDの実用化を後押しするとみられています。
テザー(USDT)やUSDコイン(USDC)といった先行するステーブルコインとの競争は、今回の展開を受けてさらに激化する見通しです。
供給量の規模では市場全体においてまだ後発の水準にあるものの、PayPalのブランド力と既存ユーザー基盤が今後の成長を左右する要素として注視されています。
PayPalはステーブルコインを単なる実験的機能にとどめず、グローバル決済インフラの一部として本格的に位置づける戦略を進めており、今後の普及ペースに関心が集まっています。
「銀行主導の決済インフラ構築へ」
「銀行主導の決済インフラ構築へ」三菱UFJ、3メガ共同ステーブルコイン実証を表明
ステーブルコインの実用化に向けた動きは、PayPal以外の分野でも広がりを見せています。
米保険大手Aon(エーオン)は、ステーブルコインによる保険料決済を主要ブローカーとして初めて実現したと報じられており、金融・保険領域でのステーブルコイン活用が本格化しています。
また、大手仮想通貨取引所Coinbase(コインベース)はメールアドレスだけでUSDコインを送金できる機能を導入しており、専用ウォレットや複雑な手続きを必要としない送金環境が整いつつあります。
決済・保険・個人送金と異なるセクターでステーブルコインの導入事例が積み重なる中、PayPalによる今回の展開がその流れをさらに加速させるか、今後の動向に関心が集まっています。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=158.93 円)
>>最新の仮想通貨ニュースはこちら
ステーブルコイン関連の注目記事はこちら
マツモトがJPYC社と基本合意、教育・地域分野でステーブルコイン活用の実証実験へ
USDCが7年ぶりにUSDTの取引量を逆転、みずほ証券がサークル社の目標株価を引き上げ
全米初、フロリダ州がステーブルコイン規制法を可決|知事署名で正式発効へ
Source:PayPal発表
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用


